2024/10/24

Paradise Gate meets ARAKI Shin 三重県松阪市

 

PAの音の良さに衝撃を受けて以来、コラボレーションを続けてきた中西悠介さんが、遂に秘密基地を公開の運びとなり、こけら落としに演奏いたします。

何故こんな音が出るのかをどうしても知りたく、これまで松阪市へ繰り返し足を運んできました。

そのあたりの経緯はこちら
http://www.poiesis.work/nakanishi.html

日本一好きな中西さんの音響のため、Saxophone & Pedalsもスペシャルセットで臨みます。
三重県松阪市飯南町、可能な方は是非お越しください。

2024/09/13

Support Surface SS2025 Collection Show

サウンドデザインを担当しました。

今回は、偉大な先輩であるTico Moonの吉野友加さんにハープを演奏していただき感無量でした。

代表デザイナーの研壁さんの言葉

「『着せられる服ではなく着こなす服』は、削ぎ落すことでもなく、デザインするところはすることによって、その人に染まる」

は、もの作りの深奥から響いてきた音のように聞こえました。

shooting date 6th Sept. 2024
at Otemachi Mitsui Hall TOKYO
direction : 野村直樹 Naoki Nomura
movie : 山口明宏 Akihiro Yamaguchi (yamaguchiakihiro.com)
sound design : ARAKI Shin (arakishin.com)
featuring Yuka Yoshino (Harp) (instagram.com/ticomoon_official)
hair & make up 石塚由香 Yuka Ishizuka
lighting : Art Brain Company
photograph : 桜井秀明 Hideaki Sakurai (hideakisakurai.com)
長嶋一憲 Kazunori Nagashima (kazunorinagashima.com)
model casting : SUN DESIGN
public relations : SUN DESIGN
concept : Norio Surikabe


I composed & produced the music of "support surface" ss2025 collection show.

My honor to play with Yuka Yoshino (harp) I respect for a long time.

Norio Surikabe, the president & representative designer, said

""the clothes coloured by you" means not always simplifying but sometimes designing thoroughly".

Sounds like the words from deep area of making things.

2024/04/07

Sawakoさん

Sawakoさんのお父さんから、彼女が3月31日に逝去したとの連絡をいただいた。

アルバムやsupport surface(ファッションショー)の音楽等、彼女の最後の10年で最も沢山コラボレートしてきたのは自分だったと思う。

電子音楽の世界で、和声も好きなアーティストといったら、レイ・ハラカミさんとsawakoさんだが、お二人とも逝ってしまわれた。


ミュージシャン的な音楽教育を受けていないと言いながら、上の動画F# minor(?)で9thの音を即興で乗せてくれるのがsawakoさんだった。

ファッションショーの音楽でも、用語など知らずともミクソリディアンのモード(ソの旋法)を選んだりしていて、とても痺れる瞬間があった。

彼女のそうした音をかぎ分けるセンスを尊敬する気持ちが、長きに渡る共演へとつながったのは間違いない。

"support surface" fashion show (2019)
9シーズン、4年半に渡って共演させていただいた。


あるとき私がダークトライアド的なミュージシャンから距離を置いたとき、変わらず声をかけてくれた恩人でもある。

逝去を知ってから、知人伝に、彼女が大学で講義したときの聴講ノートを見せていただいた。今後読み解いてゆきたい。

彼女を知るきっかけとなったアルバム"Madoromi"は、品切れとなっているそうだが、今の技術でマスタリングしたらもっと真価を問えるのにと常に思っている。


断片的になってしまったが、盟友と思っていたsawakoさんがいなくてとても寂しい。

Recording in my house (2020)
 

 Live at Okamura Show Room (2019)

 

Her father told me Sawako had passed away.

I must be the person collaborating the most times with her for last 10 years.
She had gone before I knew her acute deterioration.

Among electronic musicians, I love Rei Harakami and Sawako on harmonic aspect.
Now both had passed away.

She told me she didn't learn academic harmonic theory, but she chose 9th (G#) at F# minor chord on improvisation (Instagram embedded, above).

On fashion show music, she sometimes chose Mixolydian Mode if she didn't know music theory or such word--That's amazing.

I respected her sense and that's why we could keep our friendship and collaborate for long time.


Once I made a break with a "Dark Triad" musician, some of my colleague had left from me, but she kept in touch.

After I knew her passing away, a friend of mine shared memo of Sawako's lecture at University.
I will decipher in future.

The album "Madoromi", on which I first knew her, was out of stock, I heard.
I wish it was re-mastered with current technology.
Still worth listening.

Fragmentary writing.
I miss you, Sawako.

Sawako's last album "Stella Epoca" (2022)
I play saxophones, flute, and clarinet.


2024/03/21

support surface FW2024/25 collection

Fashion Week Tokyoで発表された、support surface FW2024/25ショーの音楽を担当しました。

代表デザイナーの研壁さんと相談の結果、二台のマリンバをフィーチャーしました。

マリンバの音は、温かく柔らかいと同時に高級感もあり、まるでパイプオルガンのような深い低域まで入っています。

今回のコレクションは、紺や黒を基調にすると同時に、芯地で御した構築感高い作品も印象的で、格調高い装いにマリンバがよく照応していると感じます。
そしてそんなシックな服もまた、研壁さんから見ると「かわいい」、そして愛おしいものなのだそうです。

また服がそうであるように、過去や現在の垣根を取り払い、マリンバの生楽器の音も電子音も同じ地平から眺め、ただ美的感性を拠り所に生まれるもの、そこを感じながらの音楽制作となりました。

2023/09/06

Support Surface 2024ss Collection



You can feel "Dialektik" of nature and artifact in the video: the Tokyo landscape, clothes, and the music.

サウンドデザインを担当しました。

「風を感じる」と言われるサポートサーフェスのコレクションで、皇居の緑を臨みながら演奏するのは気持ち良すぎました。
雲を掴むようなピアノ&エフェクトの本編から、調性的で肉感的な小松陽子さんの曲「微睡」の流れは、カタルシスが凄かったと思います。
ファッションショーでこういう構成を良しとするのは、音楽を愛する代表・研壁さんのセンスと胆力そのもので、感謝するばかりです。

是非新作を纏ってみて下さい。

 

1st Sep. at Otemachi Mitsui Hall, Tokyo
direction : 白坂 拡 Hiromu Shirasaka (SUN DESIGN)
movie : 山口明宏 Akihiro Yamaguchi (yamaguchiakihiro.com)
sound design : ARAKI Shin (arakishin.com) featuring Yoko Komatsu (piano) (yokokomatsu.com)
hair & make up 石塚由香 Yuka Ishizuka lighting : MGS Lighting
photograph : 桜井秀明 Hideaki Sakurai (hideakisakurai.com) 長嶋一憲 Kazunori Nagashima (kazunorinagashima.com)
model casting : SUN DESIGN
public relations : SUN DESIGN
concept : Norio Surikabe

2023/06/24

Grace Design ROXi & REX Micpreamps

輸入代理店の方から試してほしいとのことで、Grace DesignのマイクプリROXiとREXが送られてきました。

録音からライブまで使える、とてもフラットで高品位な音でした。

 

IK Multimedia Amplitube X-TIMEのハーモナイザーを使い、G.デュファイのフォーブルドンからインスピレーションを得て、電子音楽的に即興しました。

通常、5度などの平行で動くとギタリストの文脈では「パワーコード」が浮かぶかと思いますが、自分にとっては中世の平行オルガヌムやルネサンスのフォーブルドンなどを再構築するヒントとなっています。

こちらは他のマイクプリとの音質比較です。

面白いのは、Grace DesignのROXiとREXは、XLRアウトを使うとトランス(OEP製)を通り少しふくよかな音になり、TSアウトにするとトランスレスになる点で、音色作りに可能性があります。

 トランスはOEP製で、非常に素直な音色(ROXi)

個人的には、録音用に純粋にマイクプリとして使うときはXLRでトランス有り、エフェクトペダルを通すときはTS(トランスレス)として通すとバランスが良いように感じました。
たとえトゥルーバイパスといえども接点がある以上、エフェクトペダルを複数通すとけっこう音は鈍りますが、そうした使い方のときに太くなり過ぎないからなのか、トランスレスのマイクプリと相性が良いのは意外な発見でした。

誰もが気づく面白い点は、マイクプリなのにSend & Returnが付いていることで、ミキサーのAUX的な使い方が可能。
一つ目の動画はこのSend & Returnのところにエフェクトペダルを入れて演奏しています(アウトはTS)。
二つ目の動画のGrace製品はXLRアウトでトランスを通した音色です。

どちらもEQせずに録ったため、Graceらしい高域まで綺麗に伸びたフラットな音になっていますが、EQで敢えて帯域を狭くしたりすることで更にライブ向きの音色づくりが可能であるとも感じました。

アンブレラ・カンパニーさん、貴重な機会をありがとうございました。


Asked by the import agent, I tried Grace Design's new "REX" & "ROXi".
Flat and decent sounding micpres for both recording and live performance.

At Video 1, saxophone & effects pedals improvisation, inspired by Guillaume du Fay(1397 - 1474)'s "Faux-Bourdon" with "X-TIME" harmonizer (IK Multimedia).

When hearing "parallel fifth", it may remind most guitarists of "power chords", but, for me, capability of electric interpretation of medieval Organum or Faux-Bourdon in Renaissance.

Video 2 is a shootout including ART Tube MP and GML 8302.
Both Grace REX and ROXi, XLR outputs go through transformers (OEP, UK) and TS outputs work as transformerless micpres.

I like transformer output for recording of unplugged instruments (video2) and transformerless for live performance with effects pedals (video1).
Even if "true bypass", it has to go through a lot of terminals of effects pedals dulling the sound.
Therefor I felt the slender sounding of transformerless was more suitable for effects pedals.

Everyone who tries REX or ROXi will find both micpres having send & return terminals like mixing consoles.
At video 1, I connected effects pedals at send & return.

You will find very flat sounding of REX or ROXi at the videos above because they are without any EQs.
It is easy to make narrower and/or fatter sounding that may be more suitable for some live performances with EQs at REX and ROXi micpreamps.